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台北 記念の人まで存在感

2009年12月09日

 100万人目は台湾人か、中国人か、あるいは日本人か-。

 地殻活動や海水、風雨の浸食で「女王の頭」などさまざまな奇岩が生み出され、独特な景観が内外に知られる台湾北部の野柳地質公園。11月中旬、1964年の開園以来、初めて年間入園者が100万人を突破した。

 理由ははっきりしている。昨年7月に中国人の台湾観光が解禁されたためだ。以前は、台湾人以外では日本や韓国からの観光客が主体だったが、今では台湾人55%に次いで中国人が30%を占める。公園側は「近くにはテレサ・テンのお墓もあり、大陸観光客にとっての人気スポットになった」という。

 その100万人目。やはりというべきか、入園者増加の原動力となった中国の浙江省からの団体旅行客だった。添乗員は既に12回目の台湾訪問という。馬英九政権になって中台の経済面での接近が進む中、中国の存在感をあらためて見せつけられた一幕だった。 (栗田秀之)