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ワシントン 人生映す豊かな調べ

2009年12月07日

 オペラも、半ば以上は「客商売」だから、芸術性を追求してばかりはいられない。斬新さが必ずしも芸術性と一致しないのも事実にせよ、芸術を名乗る以上は他に類のない独自性こそ命だと思える。

 ただ、期待して足を運んだ大劇場で古めかしい舞台を見せられ、不満を募らせる経験もまれではない。

 だが、今月7日のワシントン・ナショナル・オペラのワーグナー作「神々の黄昏」は、昨年の金融危機の後遺症で舞台製作が延期され、演奏会形式となっただけに音楽に集中でき、皮肉にも自由な想像力を駆使できた。

 特に、フランスの指揮者オーギャンと、スウェーデンのソプラノ歌手テオリンが見事。この30年間、各地でワーグナーの演奏に接してきたが、最高の出来では…と感じた。バイロイト音楽祭の常連のテオリンは、男児を3人出産してから音大に通い始めた、と劇場のウェブサイトで語っている。異色の人生を知るのも、また楽しい。 (嶋田昭浩)

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