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北京 民に届く温かい人柄

2009年12月16日

 戦後の旧満州(中国東北部)の混乱で肉親と別れた日本人残留孤児の一行が訪中し、中国の温家宝首相と会った現場を取材した。

 会談場所は当初、人民大会堂の予定だったが、突然、中国政治の中枢、中南海に変更。元孤児らが駆けつけると、温首相は寒い中、建物の外で出迎えた。

 「お帰りなさい。私たちは親せきの間柄だから、形式にこだわらずお話しください」。温首相が促すと、元孤児らは次々と立ち上がり、運命に翻弄(ほんろう)された苦労を涙ながらに話した。温首相も涙ぐみ、予定を大幅に超えて聞き入った。手をつなぎながら中南海を案内された元孤児は「温総理の温かい心に触れた」と感激していた。

 中国の新聞やテレビもこの様子を大きく報じた。政治家のパフォーマンスともとれるが、国民的人気が高い温首相の人柄が十二分に伝わってきた。日本の首相が訪問者とこれほど長く、涙ながらに語り合う時間や心の余裕はあるのだろうか。 (安藤淳)

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