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屏東県 人心に残る氏の功績

2009年12月15日

 不思議な光景だった。オカリナを奏でるのは静岡県袋井市の市民グループ。バイオリンを弾くのは台湾の著名な電子産業「奇美」グループの創設者で、芸術家でもある許文龍さん(81)。共演した曲は「荒城の月」「里の秋」「故郷」…。

 袋井市と台湾の縁は日本統治時代にさかのぼる。1923年、同市出身の技師鳥居信平(のぶへい)氏(1883~1946年)が南部屏東県に独創的な地下ダムを造った。ダムは今も農業用水と飲料水を地域に供給している。

 この功績を知った許さんが鳥居氏の胸像を作って今年7月、袋井市に寄贈。市の訪問団がダムや許さんを訪ねたのは今月初めだった。実に80年以上の時を超えた交流だ。

 鳥居氏の孫で東京大教授の徹さん(54)も訪問団とともにダムを訪れた。「今も台湾の人に喜んでもらっている。事業の偉大さをあらためて実感した」。そのダムが供給する水は、台風8号の大水害時も澄み渡っていたという。 (栗田秀之)

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