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シンガポール 例が示す会議の意義

2009年12月14日

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)が開かれたシンガポールで、毎朝楽しみにしていた地元紙「ストレーツ・タイムズ」の記事がある。

 「ドーハ・ラウンド」や「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)」といった専門用語を1、2件、分かりやすく解説してくれるコーナーだ。

 面白いのは、毎回「用例」が紹介されていること。「疲れたよ。昨夜のマージャンは“ドーハ・ラウンド”みたいだった。いつまでも終わらない」といった具合。

 あるいは「うちのしゅうとめは“保護主義者”なんだ。うちでは彼女が作ったものしか食べられない。買ってくるのはダメなんだ」となる。

 APECには首脳たちがきら星のごとく勢ぞろいするが、「何も決まらない」「記念写真のために集まるだけ」などの批判もついて回る。この地元紙なら「APEC」の用例をどう紹介するだろうか。 (吉枝道生)