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ノッティングヒル 切ない 『誇り』の根拠

2010年01月03日

 ロンドン西部ノッティングヒルでホームレス自立支援誌「ビッグイシュー」を売る野宿者のスティーブ・モルガンさん(40)。生き別れとなった、米国在住の一人娘と再会する日を夢見ている。

 急に姿を見かけなくなってから数週間して、ひっそりと街に戻ってきた。英国の国防義勇予備軍に志願し、歩兵の訓練を受けてきたという。「来年はアフガニスタンに行く。地元兵や警察を訓練するんだ」

 話を聞いて頭をよぎったのは、訓練中のアフガン警察官が英兵5人を射殺した先月の事件。スティーブさんも情勢の悪さを知らないはずはない。現地では外国軍隊の駐留自体に反発が強まっている。英兵の死者も220人を超えた。

 これまで街頭で雑誌を売りながら「社会に役立ちたい。娘に顔向けできるように」と話してきたスティーブさん。軍服を着た時、「初めて自分に誇りを持てた」という。控えめな笑顔がやるせなかった。 (松井学)

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