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屈店村 駆け込む先 外国とは

2010年02月03日

 「昔みたいに、コメを作りたいんだ」。こう訴える農民の人波が押し寄せてきた。

 天津市郊外の屈店村。5年前、のどかな農村風景が一変、工業団地ができた。当時の村官が企業側と農地の賃貸契約を一方的に締結したためだ。農民らは「村官には黒社会(暴力団組織)がついていて、反対の声なんて上げられなかった」。

 その後、土地返還を求める裁判で勝訴したが、工場は操業を続ける。村官の行方は分からなくなり、今の役所も取り合ってくれない。北京に陳情に向かうと地元警察に強制的に連れ返された。

 中国社会科学院によると、このケースは氷山の一角。村とはいえ幹部の権限は小さくなく、開発業者とグルになり私腹を肥やす。収賄罪の適用条件が不明確な事情も腐敗まん延の背景にあるという。「頼りは外国メディアだけ。助けて」と農民たち。この国の民主化はまだ遠い。 (朝田憲祐)