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バンクーバー 深奥にたぎる愛国心

2010年04月19日

 カナダが史上最多の14個の金メダルを獲得し、閉幕したバンクーバー冬季五輪。「CANADA」と大きく書かれたセーター、国歌を口ずさむ若者-。街は「愛国心」に彩られたが、大会前までは必ずしもそうでなかった。

 地元住民によると「米国人みたいに国旗を振り回さない」のが美徳。カナダの首相は五輪前、「愛国心の発露は悪いことではない」と、わざわざ国民に訴えた。

 国技のアイスホッケーの試合でスタンドはカナダ国旗で埋まった。しかし、男子一次リーグで宿敵米国に負けても、カナダ人は星条旗をまとった米国ファンに「いい試合だった」とエールを送る人のよさ。

 外からは分かりにくい米国との付き合い。だが時折、複雑な感情は顔を出す。

 リュージュコースで死亡事故が起き国際的波紋が広がると、地元有力紙は「米国メディアによるバッシング」と決め付けた。本音を見た思いがした。

 (阿部伸哉)