2010年05月21日
「この映画を見て泣かない者は人じゃない」。主役を演じた香港のトップスター、チョウ・ユンファがこう語った中国大作映画「孔子」を見た。世界中で大ヒットした米SF映画「アバター」との対決が中国では注目されただけに、期待して映画館に足を運んだ。
しかし話に盛り上がりはなく主人公・孔子に感情移入もできぬまま映画は終了。アバターとは比べようもない出来だ。メディアも「2度見たが涙の1滴も出なかった」「10点満点で3、4点」などと酷評していた。
中国紙によると、当局は国産の「孔子」保護のため大ヒットを続けるアバターの上映規模縮小を通知。しかし庶民の反感を買い撤回したとか。
姑息(こそく)な手段をいくら講じても実力がなければ、結果は伴わない。産業振興のためには、やはり人材育成など長期的取り組みが必要だと実感させられた。
(池田実)