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ウィーン 闇の中に“未来都市”

2010年05月26日

 ウィーンを訪れる時、ずっと気になっていたのが、空港と市内を結ぶ車窓で出合う夜景。細長い蛍光灯のような照明の数は数千はあるだろう。漆黒の闇に浮かぶ人工的な眺めだ。目を凝らすと煙突があって石油化学プラントだと分かる。

 なぜかドイツのモノクロ無声SF映画「メトロポリス」の特撮都市の場面が浮かぶ。2月のベルリン国際映画祭で上映され記憶に新しいからだろう。フリッツ・ラング監督の生地もウィーンだ。

 映画の未来都市は、二極化した階級社会をめぐる闘争の舞台となる。ウィーンで取材する国際原子力機関(IAEA)もまた、先進国と途上国の相克がいつもテーマ。どちらも問題解決の核心は、対立するものをつなぐ難しさにある。

 石油化学プラントに業務内容を尋ねると営業担当者は「ごく普通の工場です」とだけ答え、そそくさと仕事に戻ったようだった。

 (弓削雅人)

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