2010年06月04日
上海のビルの壁にかかったテレビのビデオ広告で米国プロバスケットボールの姚明(ヤオミン)選手がフカヒレを食べないように訴えていた。だが友人は「中国の文化なのに」と冷めていた。
背後に米国の野生動物保護団体がいることもかんに障ったようだ。「日本でも、有名人がマグロを食べないように言うのは嫌でしょう」と友人。確かに、大きなお世話と思うかもしれない。
中国では虎骨酒も有名だ。1993年に販売禁止となったが、同年以前に出荷された1瓶約320ミリリットルが1万元(約13万円)で売買される。今月、遼寧省の動物園が栄養失調で死亡した虎で虎骨酒を製造し贈答品にしていたことも発覚。
上海の動物園に出掛けると、パンダ舎の横で、虎がのし歩いていた。大きなあくびの後、突然、背を向け、用を足し始めた。人間への無言の抗議だったのかもしれない。
(小坂井文彦)