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北京 肉食女子にタジタジ

2010年06月18日

 「店長を呼んで!」。四川料理店で、隣のテーブルの若い女性客が大声で怒鳴り立てていた。

 「香港や上海でも同じ料理を食べたけどこんな味じゃなかったわ!」。どうやら、注文した魚の唐辛子煮の味が、想像したのと違ったらしい。

 店員は「それぞれの店に、それぞれの味がありまして…」と平身低頭で理解を求めるものの、店に響き渡る罵声(ばせい)は延々三十分。聞いていて閉口した。それに、件(くだん)の鍋を見れば、ほとんど平らげているではないか。

 「この料理のお代はいただきません」。最後に店の責任者らしき女性が平謝りすると、女性客はチッと舌打ちし、「ま、いいでしょ」。

 女性客と同じぐらい気になったのが、連れの男性。彼女が“暴走”する間、おし黙ったままで視線は泳ぎっぱなし。この国でも「女性上位」が伝えられるが…。ま、余計なお世話か。

 (朝田憲祐)