2010年06月08日
全米で注目された秋の中間選挙の民主党上院候補を選ぶ東部ペンシルベニア州予備選で、現職ベテランのスペクター上院議員が敗れた翌朝。フィラデルフィア駅でワシントン行きの列車を待っていると、見慣れた顔が。
安泰とみられていたスペクター氏を破ったセスタック下院議員だ。地元紙の一面を飾っているが、カーキ色のジャンパーを着て、ぽつりとたたずむ姿に当人だと気付く人はほとんどいない。
「おめでとうございます」と声をかけると少し驚いた様子で海軍の経験から対中政策の重要性を語り始めた。おそらく選挙戦ではまず触れないテーマだが、日本人記者に気を使ったのだろう。
全米はいま「反現職」の嵐。セスタック氏も下院議員だがまだ2期目。ワシントンに染まらない身近さが有権者に受けている。列車内で再び出くわし「そっちも満席?」と聞かれ、ますますそう感じた。 (岩田仲弘)