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バート・ゴーデスベルク 党勢ワインのごとし

2010年09月06日

 ドイツ西部ボン近郊の住宅地バート・ゴーデスベルクの雰囲気は、知人を訪ねた四半世紀前から変わっていなかった。

 ライン川の豊かな流れを前に見るたたずまいは、首都だった当時も今も閑静そのもの。だが裏腹に、その地名は特別な場所として記憶される。1959年、ここで党大会を開いたドイツ社会民主党はマルクス主義と決別。階級闘争政党から国民政党へと歴史的な大転換を図った。

 約40年も州政権を保ち、同党の砦(とりで)のような存在だったこの地だが、5年前の選挙で右派政権誕生を許した。起死回生を狙った先月の州議会選では世論の追い風を生かし切れなかった。

 川の渡し船で出会った男性は、地元のワインを指さしながら「社民党? これと同じで、じっくり時間をかけないとな」。党勢の熟成はまだ遠いというのか。それとも、庶民に手の届かない“年代もの”になるという意味なのか。(弓削雅人)

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