2010年09月07日
上海万博では、出展パビリオンのスタンプを収集する「万博パスポート」が人気だ。
1冊30元(約400円)のパスポート形式の小冊子を買い、スタンプラリー方式で各館を回り、記念スタンプを押してもらう趣向。ページごとに主要館の全景が薄く印刷されているが、どのページに押印してもらうかは個人の自由だ。
「22ページにはスタンプを押さない」。北朝鮮館のスタンプコーナーには、こんな手書きの表示があった。パスポートを開くと、そこはやはり韓国館。哨戒艦沈没で韓国が北朝鮮の事件関与の疑いを強めていた5月上旬には既に押印を拒否していたという。
スタンプの行列に並んでいた中国人が「北朝鮮は過剰反応だ」と苦笑したのに対し、韓国人の男子大学生は「万博に政治を持ち込むな」。黙々とスタンプを押していた同館担当者に「なぜ?」とただすと、こちらを一瞥(いちべつ)し、ぶっきらぼうに「何も言うことはない」。(朝田憲祐)