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ワシントン 権力追及の姿勢敬服

2010年09月17日

 10人の大統領を取材し続けたホワイトハウス担当最長老のヘレン・トーマスさん(89)が「イスラエルのユダヤ人はパレスチナから出て行け」といった発言の責任を取り、あっけなく引退した。

 会見室最前列の指定席まで同僚記者に支えられながら歩く姿は痛々しかったが、大統領報道官の会見が始まるとそんな同情は吹っ飛んだ。質問が内政に集中していても、お構いなしに「米国はなぜアフガニスタンで戦争を続けるのか」と問いを浴びせる。

 昨年2月、オバマ大統領最初の記者会見でも「これで私もようやく大統領に就任した」とヘレンさんを指名する大統領に「中東で核を保持している国を知っているか」と迫った。イスラエルという言葉を引き出すための質問だ。

 レバノン移民の出自も手伝い、記者として中立的でないと批判されはしたが、時の最高権力者に「戦争責任」を追及し続けた姿勢には敬服するばかりだ。あいさつしか交わせなかったことを後悔している。 (岩田仲弘)

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