2010年09月27日
ポルシェにランドローバー、ベンツにBMW-。ロンドン郊外の街を取材帰りに歩いていると、高価な車が軒先にかなりの割合で止まっている。高級住宅地ではない。会社員が住む中流の街だ。
なぜ、高価な車が買えるのか。不思議に思い、地元の住民に尋ねてみて分かった。そうした車の多くが個人所有ではなく、勤め先の会社所有という。
英国では、入社する際に車を貸すという契約を結ぶ会社が多く、例えば課長クラスなら高級車、一般社員は大衆車と決めているそうだ。もちろん、代わりに通勤費も選べる。
住民いわく「車は新車で自分の好きなように革張りにしたり、カーコンポをつけたりできる。会社の予算をオーバーした分は自分が負担すればいい」。
その後に会社を替わったら、どうなるのか。「会社は3年で車を減価償却することが多いので、3年以上勤めてからの転社なら、安く買い取れる」。つくづく、うらやましい制度だ。
(有賀信彦)