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ロンドン 轟音響く伝統と誇り

2010年10月08日

 英国の夏を彩るように各地で開かれる自動車レース。最高峰のF1が轟音(ごうおん)を響かせたシルバーストーン・サーキットでは競技運営やファンの先導係を務める中高年ボランティアが目立った。

 F1グランプリのボランティア歴が26年の養鶏業ノリス・ベニントンさんは「英国は自動車レース発祥の地の一つだろ。今もF1の車体や部品は多くが英国製だ」と切り出した。英国は大量生産の車づくりでは分が悪いが、レースカーの伝統は負けちゃいないよという心意気が伝わる。

 5年前から加わったアナ・ブライアントさんは「英国は過去2年続けてF1チャンピオンを生んだのよ」と誇り「各地のレース場でボランティア仲間ができるのが続けられる理由」と話した。

 歴史好きの英国人の心根には、自分自身が歴史の中に生き、その一部になる楽しみがあるのではと感じることがある。伝統の自動車レースにも若者から年配者までが駆けつけている。(松井学)