2010年10月23日
留学時代に知り合ったドイツ人男性と日本人女性のカップルが結婚式に招いてくれた。
南部ミュンヘン近郊のオーバーアムバッハは緑豊かで湖水がまぶしく、門出にふさわしい舞台。式は笑いが絶えない気さくな雰囲気で進んだ。1人だけ落ち着かなかったのは自分。「方言の強いバイエルンの出席者に理解してもらえるか…」。冷や汗まみれで友人代表の祝辞を務めた。
宴席に着くと、ごう音が耳をつんざいた。会場のホテルが落雷の直撃を受けたのだ。ゴルフ球大もありそうなヒョウが降り室内の熱気でまたも汗だく。従業員は「避雷針があったので助かった」と話したが、目撃者は「建物全体が真っ白く包まれた」と驚いていた。
荒っぽい洗礼に「祝福の花火が時間をちょっと間違えたようで」と、座を和ませた新郎のひと言が、2人のきずなを強くしたのは確かなようだ。(弓削雅人)