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ラスベガス ネオン街の不況深刻

2010年10月25日

 11月の中間選挙取材のため、ネバダ州ラスベガスを訪れた。同州は失業率、企業倒産率とともに住宅の差し押さえ率が最悪。空き物件を見るにはどこがいいか、と地元記者に聞いたら「どこにでもあるから」という。

 そうはいってもと、ホテルの配車係の男性に尋ねると「一戸建ての住宅かオフィスか。販売物件か、それとも賃貸物件を探しているのか」としつこく聞いてくる。なぜ詰問されないといけないのかといぶかっていると「おれは不動産屋だ」というからびっくり。住宅市場の冷え込みで本業だけではやっていけないらしい。

 言われた通りに車を郊外に走らせると、広大な住宅街に販売中の空き家が点在していた。ラスベガスは安い住宅と巨大な娯楽産業、建設業など労働市場が魅力だったが、景気低迷に伴い失業者が急増。「売り家」は家を手放した人たちの無念の象徴でもある。華やかなネオンとは対照的な寂しい光景だった。(岩田仲弘)