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ベルリン 壁の悲劇崩さず伝承

2010年10月24日

 49年前の8月13日、東西冷戦の象徴「ベルリンの壁」の建設が始まった。旧東ドイツ独裁体制による抑圧の犠牲者を追悼する式典が今年も、壁が当時のまま残る市内のベルナウアー通りで開かれた。

 継続こそ悲劇を風化させない手だてと実感させるが、毎年同様な式典の繰り返しで形骸(けいがい)化を心配する市民も多い。式典取材でドイツのテレビ局記者は「昨年は壁崩壊から20年で注目された。来年は壁建設から50年。今年は…」と、報道の苦心を打ち明けてくれた。

 市長らが参列した式典に、今年は壁崩壊後に生まれた世代の学生らを招き、次代に伝え継ぐ大切さを訴えた。「自分で体験したわけではないから分からないことも多い」。そう話したイザベラさん(10)のような子どもも会場には少なくない。

 「地道だが、悲劇を伝える努力を怠った時に悲劇は繰り返される」。犠牲者遺族の言葉が重く響いた。 (弓削雅人)

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