2010年10月26日
フィリピン人の友人がマニラでバッグを盗まれた。正確に言うと、一緒にいた米国人のバッグだ。パスポートや携帯電話、カメラなどが入っていた。
携帯電話やカメラは仕方がない。でも、パスポートだけは…。そう思った彼は、盗まれた携帯電話にテキスト・メッセージ(携帯メール)を送った。「パスポートだけ返してもらえませんか」
泥棒から返事が来た。「もう遠くにいるので無理」。あきらめず何度もやりとりをした。数時間後「××のファストフード店の店長に預ける」と返事が来た。パトカーに乗ってその店へ行くと、ちゃんと届けられていた。
フィリピンらしい実話だがフィリピンらしいオチもついている。喜んだ米国人が、同行した警察官を食事に誘うと「OK!」と制服のまま飲食店に。「ビールを飲もう」と誘ったが飲酒はさすがにまずいらしい。警官はこう答えたそうだ。「うーん。じゃ、署に戻って着替えてくる」 (吉枝道生)