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バンコク 言語でも中韓に苦戦

2010年11月18日

 先日、タイ人の日本語弁論大会で審査員を務めた。ある女子高生はペンと鉛筆を引き合いに「書き直せる鉛筆が好き。書き手に優しいし柔軟な発想も生まれる」と流ちょうな言葉で力説。ユニークな視点で優勝した。

 大会は今年で37回目。両国の友好関係を象徴するイベントだ。タイ人の考え方に触れるいい機会でもあるが、PR不足からか地元メディアの取材はゼロ。日本人の観客もまばらだった。

 タイの日本語学習者は7万人と着実に増えているが、約10年前に日本語と似たり寄ったりだった中国語学習者は、中国政府の国策で50万人に激増した。韓国政府も韓国ドラマの著作権を無料にして韓流ブームを起こし、家電製品の販売促進につなげている。

 大会でタイのことわざを一つ教わった。「ウァ・ハイ・ローム・コーク」(牛が逃げてから柵を作る)。後の祭りの意味らしい。(林浩樹)