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ポツダム 最後も“定番”脱せず

2010年11月20日

 米国から来た日本人の友人をドイツ東部ポツダムへ案内した。ベルリンから車で約20分。ベルリン在住者が客人をもてなす「定番」のひとつだ。

 啓蒙(けいもう)専制君主と呼ばれたプロイセン王国のフリードリヒ大王が建てたサンスーシ宮殿がある。第二次世界大戦末には米国、英国、ソ連の3首脳が一堂に会したポツダム会談が開かれた場所で…と、歴史の重要単語を並べていくと大都市ではないが、日本人にも知られるこの街の解説になる。

 友人が住む米西海岸の都市は大企業がいくつも誕生した地だ。ポツダムは田舎だったろうが、感想が興味深かった。

 「宮殿や庭を見て回ると、米国では感じることのない歴史の深さが伝わってきた」。うれしく聞きながら、つい入ってしまったのが米国発祥のコーヒーチェーン店。「歴史に招待する旅」は最後に苦い味を残してしまった。 (弓削雅人)