2010年11月26日
いきなりテレビ画面が真っ暗になった。ノーベル平和賞が中国の民主活動家、劉暁波氏に決まったことを報じるNHKニュースを見ていた時のことだ。
過去にもチベット問題や天安門事件関連など、中国にとって都合の悪いニュースが海外のテレビで流れるたびに放映は中断。定期購読している香港紙などが、配達されなかったことだってある。
今さら中断に驚きはない。しかし中断のタイミングには驚きもある。一般的には劉氏関連のニュースが10秒ほど流れてから中断され、次のニュースの途中で再開されるのがパターン。しかし時には、前のニュースが終了すると突然中断、問題報道が終了した途端に再開される。
まるで職人技。職務に忠実な担当者はおそらく手に汗を握りながら、中断のタイミングを見計らっているのだろう。真っ暗なテレビ画面を、こんなふうに楽しめるのも報道規制に躍起な中国ならではかもしれない。 (池田実)