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プノンペン 都会の繁栄の犠牲者

2010年12月20日

 カンボジアの首都プノンペンで、祭り客でぎゅう詰めの橋の上でパニックが起き、352人が圧死する大惨事が起きた。

 とりわけ痛ましかったのは、華やかな都会にひかれ、地方からきた若い女性が多く犠牲になったことだ。

 川を渡った先の巨大な島には高層マンションや結婚式場、遊園地があり、夜はきれいにライトアップされる。「ここはダイヤモンドアイランドという名の通り、女性のあこがれの場所」と男性ガイドのレンさんは言う。

 郊外には外資系が多く集まる工業団地が点在、そこで働く若者も数年前に島ができてから、よく遊びに来るようになった。「週末も交代で働く彼らの一番の楽しみは島」とレンさん。首相は「事故は想定外。誰も処罰しない」と明言したが、島の開発には政官界に連なる企業が複数関わっているとされる。

 安全対策はおろそかだった。故郷に無言の帰宅をした若者たちは都会の繁栄の犠牲と言えないか。(杉谷剛)

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