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北京 外交行脚で日本憂う

2011年01月05日

 「幹部外交冬の陣」-。北京の新聞にこんな見出しがならんだ。中国では胡錦濤国家主席と温家宝首相の2首脳のほか共産党政治局常務委員7人が世界を飛び回る。1人年2、3回、アフリカなどの小国へ出かけトップと会談する。最近も習近平副主席が南アフリカとアンゴラを訪問、資源外交を繰り広げた。

 「中国の偉い人は、飛行機でたくさん旅行ができていいね」。中国中央テレビのニュースを見て、息子がうらやましがる。

 一方、日本では。衛星テレビで国会中継を見たが、閣僚が予算委員会に、ほぼ全員並ぶ中、蓮舫行政刷新相のファッション誌掲載問題を長々と追及していた。日中関係悪化で、外交の危機が叫ばれているのにだ。

 毎年くるくる首相が代わり、首相の外国訪問は米中韓、国際会議開催国ぐらいだ。副首相もいない。国会議員は支持率や党利党略より、国の安全保障をオールジャパンで考えられないものだろうか。(安藤淳)