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ソウル 食べられる生首サル

2011年01月11日

 日本人観光客が多いソウル中心部にある焼き肉屋。ガラス窓に日本語で記されたメニューを見て、ギョッとした。「生首サル」-とあった。

 猿を食べる習慣が韓国にあるなんて、聞いたことがない。しばらく考えて、合点が行った。「生首サル」に付記されたハングルを片仮名にすると「センモクサル」。センは「生の」とか「新鮮だ」という意味で、モクは「首」。サルは「肉」でセンモクサルは豚肉や牛肉の首の部位をいう。おそらく機械翻訳による誤りだろう。

 別の韓国食堂の看板には「買ったままビビンバ」とあった。ビビンバは、日本でも有名な韓国風まぜご飯。韓国語発音で「買ったまま」と同じ言葉は「山菜」。「買ったままビビンバ」は「山菜ビビンバ」だった。やはり機械翻訳が招いた誤訳とみられる。

 言葉遊びのようで面白いが、「日本人客の食欲を失わせることもあるのでは」と思うと少しばかり心配もするのだ。(城内康伸)