2011年02月25日
米アラバマ州の州都モントゴメリー。市内のローザ・パークス博物館で「公民権運動の母」と呼ばれた故パークスさんの足跡をたどった。パークスさんは1955年、市バス内で座席を白人に譲らなかったため当時の人種隔離法違反で逮捕。この勇気がキング牧師を中心とするバスボイコット、人種差別撤廃運動につながった。
博物館員の男性が市バスの人種隔離は違憲とする判断を下したニュースを伝える地元紙を示しつつ「この新聞は白人用か黒人用か」と聞いてきた。記事の論調が違うのかと思ったらそうではなく、題字の横の小さな黒い斑点を指さし、「これは黒人宅に配達する目印」というから驚いた。
50年以上たち、差別は法的に撤廃されたが、経済格差などから人種統合はなかなか進まない。訪ねた日、市内は新たな州知事の就任パレードでにぎわっていたが、高校生によるマーチングバンドは白人と黒人でほぼはっきりと分かれていた。(岩田仲弘)