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ロンドン ストさえ許す連帯感

2011年04月06日

 地下鉄のホームに立ち、入ってくる電車の運転席に目をやる。ある時、運転士の横に食べかけらしいパンが置いてあった。別の日は読みかけの新聞が。

 地下鉄ではストライキにもよく遭遇する。全面運休が避けられた場合でも、極端に本数を減らして運行するため列車は押し詰めだ。さすがにロンドンっ子もぶぜん。車内は「ひどいストだ」「うんざり」という会話と重い空気に包まれる。

 目下の焦点は、地下鉄運転士が入る労働組合が休日出勤手当の増額を求めて、4月のウィリアム英王子の結婚式当日にストをする可能性をちらつかせたこと。英首相官邸は「お祝いを台無しにするつもりか」と怒る。

 ただ、ふだんの地下鉄ストに対しては市民は意外にも好意的だ。世論調査では過半数が「支持」と答える。労働者家庭出身の学者に聞くと「それが英国人らしさかな」。ストにはうんざりしても、働く人への連帯感と権利は失いたくないのだそうだ。 (松井学)

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