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北京 まさかの友は真の友

2011年05月09日

 「大丈夫か。おまえの家族は?」

 東日本大震災が発生した夕方、仲良くしている中国の警察官から電話が鳴った。「今のところ大丈夫だ。連絡はなかなかつかないけど」と答えると、「だったら、おまえは日本に帰らないのか?」と聞き返してくる。

 「仕事もあるし、ちょっと苦しい」と言うと、「そうか、分かった。何か必要なことがあったらすぐ言え」と、いろいろ心配してくれた。

 その後も、電話や携帯電話のショートメール、パソコンのメールで、同様の心配が続々と入ってきた。中には、相手には申し訳ないが「うーん、これ誰だっけ?」という人までいた。

 中国のメディアも地震発生から連日、特集や特番を組んで報道している。北京の事務所の管理会社からも「私どもも微力ながら、日本の皆さまとともにこの苦境を克服されますよう、切にお祈り申し上げます」との丁寧な手紙と、キャラメルの詰め合わせが届いた。

 中国人は家族や友達を大切にする気持ちが強く残っている。日本人のことを表面的ではなく、友人と思い本当に心配しているようだ。「日本人のためにお祈りしています」「自然災害の前には、国家の区別なく、あるのは思いやりの心だけです」とのメールに、思わず目頭が熱くなった。 (安藤淳)

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