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台北 中国の中国語じわり

2011年05月25日

 台湾の国語は「中国語」だが、中国で使っている中国語と少し違う。発音に台湾訛(なま)りがあり北京の中国語独特の舌を捲(ま)いて発音する捲(まき)舌音はあまり聞かれない。だから「台湾国語だ」といったりする。

 ところがこの台湾国語は発音だけでなく字が違う場合があり、北京の中国語を聞き慣れた後に台湾に来て少し戸惑ったことがある。例えば「確かに」は、北京では「肯定」(ケンティン)をよく使うが、台湾は「一定」(イーティン)という。言葉そのものがまったく違う。

 その台湾国語が最近、変わってきた。中国の中国語と同じ言葉になっている。「確かに」は最近は「肯定」を使う人が増えた。「いいですよ」は北京は「行」(シン)、台湾は「可以」(クーイー)が多かったが、「行」が増えている。北京の「素晴らしい」は「梃好」(ティンハオ)、台湾は「蛮好(満好)」(マンハオ)だったが、梃好派が増えている。

 3年前、台湾の政権が民進党から国民党に代わり、馬英九政権は中国との交流拡大を進め、中国人の台湾観光を解禁。今や1日3000人以上の中国人が押し寄せる。「中国式中国語」が氾濫するのは当然かもしれないが、言葉はその国の文化。「文化の面からもじわりじわりと統一が進められている」と嘆く人も多い。 (迫田勝敏)

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