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ジャカルタ 宗教対立埋まらぬ溝

2011年06月22日

 「セキュリティーチェックをします。いったん会見場から出てください」

 ジャカルタで7日に開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の会場に設けられたメディアセンターでのこと。探知犬を連れた地元警察が突然現れ、約20分後に予定されていたカンボジアのフン・セン首相の記者会見のため集まっていた各国の記者を会場の外に出し、爆発物などの探知を始めた。

 国際会議の取材は何回も経験しているが、会議場の内部にある記者会見場を探知犬まで連れてチェックするというのは過去に記憶がない。ウサマ・ビンラディン容疑者の殺害で、報復テロを警戒するインドネシア当局が会場警備に神経質になっているのは、出入り口ごとに金属探知機を設置し、身体検査をしている様子でもよく分かった。

 世界最多のイスラム人口を抱えるインドネシアの首都ジャカルタでは4日に、ビンラディン容疑者の死を悼む集会が開かれ数100人が参加。「ウサマは殉教者」「イスラムを守った真の戦士」などとたたえたという。

 「なぜテロリストを称賛し、爆弾テロを起こすのか。イスラム教徒は理解できない」-偶然出会ったキリスト教徒の現地タクシー運転手の言葉が、その溝の深さを印象づけた。

 (古田秀陽)

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