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ソウル 「私の娘は新人画家」

2011年07月02日

 「わたしの彼は左きき」をヒットさせた元アイドル歌手、麻丘めぐみさんのお嬢さんがソウルで5月下旬に個展を開き、会場に足を運んだ。新人画家の藤井ひとみさんで、韓国での個展は初めてという。2002年に私立大学理学部化学科を卒業。都内の美術館で勤務後、南仏の大学院で美術を学び直し、3年前から水彩画家として再出発した。

 韓国で個展を開こうと思いついたのは昨年初め。「韓国の民族衣装の配色に私の作品と共通点があり、韓国の人は私の絵を気に入ってくれるかも」と思った。

 場所はソウル市北部丘陵地の閑静な住宅街にあり、韓屋と呼ぶ伝統的な瓦ぶきの民家を転用した画廊。藤井さんは2度訪韓して、見つけた。「コパン」と名付けた小さなパンダのキャラクターが、四季の草原にたたずむ構図など計25点の水彩画を展示した。

 画廊関係者によるとここ数年、日本の画家がソウルで個展を開くケースが少しずつ増えているという。韓流ドラマで当地の認知度が上がったうえ、韓屋はどのような作品も引き立てるそうだ。

 「日本のアーティストの表現の場が欧米だけでなく、隣国の韓国に広がっているのはうれしい」と画廊関係者は歓迎。藤井さんは「今後も韓国で開きたい」と抱負を語った。(城内康伸)