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ロンドン クールジャパンな字

2011年07月07日

 「麻薬」という文字が目に飛び込んできてびっくりした。本の中にそれを見つけて驚いているのではない。文字が躍っていたのはロンドンの街角で擦れ違った男性の右腕だったから。つまり、入れ墨である。

 意味が分かったうえで彫っているのだろうか。あえて違法なものを選ぶことが、「悪を演出すること」に憧れる、ある種の若者にとって格好良く映るのかもしれない。ぱっと見は何と書いてあるのか分からないが、聞いてみると、なるほどそういう意味かと、二段構えになっているところがしゃれていると思えるのかもしれない。

 いささか曲解めいた解釈をしてみたが、今度はこんな文字がTシャツに描かれているのを見た。「極度乾燥(しなさい)」。近くに「SUPER DRY」との英語もある。ロンドンでセレブも着る人気らしい。

 「何で、そんなに乾燥しなくちゃいけないのか」と思って調べると、由来が分かった。要するに日本のビールの銘柄「スーパードライ」を気に入った英国人経営者が、ブランド名に使ったということだった。

 ビール会社は「きりっと辛口」ということで命名した。それが、英語の本場英国では、「極度乾燥」と漢字に直訳され、しゃれていると受け取られる。その変遷がなんとも面白い。(有賀信彦)

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