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バンコク 景気の陰“奴隷労働”

2011年07月17日

 好景気に支えられ、開発や高層ビルの建設が続くバンコクに、小さな縫製所が多数集まる地区がある。大勢の男女がミシンの前に座り、色とりどりの洋服を縫い上げていく。その一角にある作業所兼住宅で、46人のミャンマー人労働者を監禁、タダ同然で働かせていた中国人男女2人が警察に捕まった。

 「あんなにたくさんのミャンマー人がいたなんて、警察が来るまで分からなかった」と近所の修理工レイさん(27)。被害者は全員20代で「月1万バーツ(約2万7500円)払う」とだまされて連れてこられた。朝8時から翌未明まで働かされ、寝るときは3つの部屋に10数人ずつ、外からは逃亡防止の南京錠が。

 「労働者を中国人に売り飛ばしたのはミャンマー人ブローカーの男2人だ」。タイ警察反人身売買課のアーラヤングン警視監は顔をしかめた。売値は1人1万5000バーツ。2人は捕まっていない。

 「タイではこの手の事件が後を絶たない。今年はすでに6件」と警視監の部下。国境で接するミャンマーやカンボジアからの出稼ぎの多いことが事件の背景にあるという。工事現場や縫製など低賃金でもタイなら自国より稼げるからだ。

 タイの好景気を最底辺で支える外国人労働者たち。“奴隷労働”のわなには決してはまらないようにと願うばかりだ。 (杉谷剛)

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