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北京 ネット規制網くぐる

2011年07月23日

 「天安門」「六四(六月四日)」「学運(学生運動)」「示威(デモ)」…。

 これらは中国で民主化運動が武力鎮圧された天安門事件から22年にあたり、インターネットで“禁句”となった語句。簡易ブログ「新浪微博」で検索すると「法に基づき、表示できません」。

 対する知識人や若者は隠語で抵抗した。天安門事件を「六四(リュウ・スー)」と発音が似た「鹿死(ルー・スー)」と表し、「黒い服を着て街に出て、犠牲者を追悼しよう」などと呼び掛けた。

 「鹿死」を使った中国の成語「鹿死誰手」も登場。直訳すれば「シカを仕留めるのは誰か」、転じて「誰に軍配が上がるか」の意。書き込みには共産党独裁体制の終焉(しゅうえん)を、との願いがにじんでいた。

 ネット規制に対する若者らの反発は強く、5月にはネット監視システムの開発者が、大学での講演中に靴を投げつけられた。真偽は不明だが、この一件では、こんなこぼれ話が流れている。

 靴を投げつけられた本人、大学の担当者に「ツイッターで“犯行予告”があっただろう。どうして警備を強化しなかったのか!」と激怒。が、言われた方は「中国ではあなたが作った“壁”のため、ツイッターは見られません。これからは特殊ソフトを使って、壁越えをしましょうか」。 (朝田憲祐)