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コタキナバル 思い出とかぶる帽子

2011年08月03日

 さまざまな人種、宗教の人々が暮らす東マレーシアのコタキナバル。そこでひときわ目を引くのが、「トゥドゥン」と呼ばれるスカーフをかぶったイスラム教徒の女性たちだ。

 トゥドゥンは、市場やデパートなどあちこちで売られている。カラフルな生地に、スパンコールの装飾をあしらうなど種類は実に豊富。民族衣装だけでなくシャツやジーンズに合わせる女性も多い。

 トゥドゥン姿の女性はコタキナバル市街から近い離島のビーチでも見かけた。トゥドゥンの上からつばの広いエレガントな帽子をかぶったり、サングラスを上に乗せたり。スポーツタイプのものでシュノーケリングを楽しむ人も。

 「私はイスラム教徒ではないが、購入できますか?」

 街でトゥドゥンを専門に扱う店に入り尋ねると、「問題ないわ」と女性店員。「ただ、男性用はないの」と続け、棚から「ソンコック」という男性のイスラム教徒がかぶる帽子を取り出した。

 トゥドゥンと違い、ソンコックのバリエーションは多くないらしく、この店には黒一点しか置いていないという。裏には美しい刺しゅうが施されている。

 早速手に取り、鏡の前に立ってみる。正直、似合ってはいなかったが、旅の思い出に19リンギット(約500円)で購入した。(藤川大樹)