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上海 離婚社会とはいえ…

2011年08月16日

 上海で月に一度通っている理髪店の女性店員が、洗髪の手を休めて、つぶやいた。「離婚することになりました」。思わずのけぞった。店員は、今年2月に結婚したばかりだったからだ。

 店員は23歳。湖南省出身で夫は上海市在住の会社員。離婚の原因を尋ねると、3本指を立てて「理由は3つ」と話し始めた。価値観の違い、生活習慣の違い。この2つは日本でもおなじみの理由だろう。そして、彼女が最大の原因に挙げたのは「持ち家がないから」だった。

 中国の女性は、結婚相手の品定めをする際、持ち家の有無を重要視する。「将来に対する保証だから」との理由らしいが、若年男性にとっては大変な負担だ。親に泣きつく男性が増え、社会問題にもなっている。

 店員夫婦は賃貸アパートに住んでいたが、最近、家賃の値上げで移転を余儀なくされた。その後、口論が絶えなくなり、離婚で合意したのだという。

 中国では今年1~3月だけで、46万組が離婚した。特に、北京や上海など都市部の若年層は、3組に1組が離婚するほど、手軽な「離婚社会」だ。

 つい数カ月前まで、店員は客の洗髪のたびに、うれしそうに指輪を外したり、はめたりしていたのに…。すでに友人宅に転がり込み、別居を始めているという。 (今村太郎)

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