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ウルムチ 融和を阻む監視社会

2011年08月20日

 夏至の夜、夜10時半まで明るいシルクロードの中継地、中国・新疆ウイグル自治区。区都ウルムチのウイグル族居住地区にある観光地・国際大バザールは日付が変わっても露店が並び、シシカバブ(ヒツジの串焼き)やニワトリの丸焼きなど香ばしい匂いが漂う。

 街のにぎわいを見ると2年前のウルムチ騒乱の後遺症は一見、感じられない。騒乱後、閉鎖され、最近復活した夜市の露店で、シシカバブを食べながら、ウイグル族の少年に「最近、生活はどう?」と尋ねた。

 すると、「景気はいいよ」とにっこり。しかし、「7・5(騒乱)以降はどう変わった?」と聞くと、顔色が急に曇り、その後は「わからない」を繰り返した。後で同行していた知人が「近くで保安員が見てたよ」と教えてくれ納得した。翌日は昼間に訪れたが、夜は気付かなかった監視カメラも50メートルおきにズラリと並んでいた。

 2年前は違った。騒乱直後に来た際は道端で政治や不平不満を聞いても、ウイグル族の住民は気さくに答えてくれた。

 夜の同地区は漢族の姿はない。昼間、ウイグル族の伝統的な踊りを見て喜んでいた漢族も、夜は襲われる危険があるため同地区に足を踏み入れないという。監視社会は疑心暗鬼を生む。盛んに宣伝される民族融和には程遠い。 (安藤淳)

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