2011年08月28日
北京に出張してきた名古屋の知人を囲む食事会に誘われた。中国暮らしが長い友人が送ってきた案内文には「名古屋の手羽先に挑みます」とあった。
そこは北京の横丁、胡同(フートン)の一角。香ばしいにおいに誘われ入った店内は、上半身裸の「スーパークールビズ」の中国人のおじさんや若者らでいっぱい。冷房もなく人いきれがした。
メニューは基本、手羽先のみ。二の腕に毛沢東の入れ墨をした、いかつい店主があんばいよく焼いたそれは、月並みな表現だが、皮がパリパリ、中がジュワッ。特製だしが染み込んだ、上等なB級グルメだった。
日本では、この10年ほどで全国区になった「名古屋めし」。ルーツについてうんぬんするつもりはないが、中国でも「名古屋めしもどき」が味わえる。
庶民の味として知られる「炸醤(ジャージャー)麺」は、バラ肉と一緒に油で炒めたみそを刻みキュウリなどとともにうどん風の麺にぶっかけたもの。八丁みそを思い出させる濃厚な味だ。「寛麺」と呼ばれる幅広の麺にかければ、汁なしの「みそきしめん」風になる。
名古屋の隣、岐阜県出身の友人に「すごい名古屋めし店を見つけました」と誘われた。そこは、愛知県に本社がある日本風カレーでおなじみのチェーン店だった。(朝田憲祐)