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上海 用心過ぎたるはなし

2011年09月06日

 普段ならば、買い物客や観光客でごった返す週末の上海中心部。だが、台風9号「梅花」が接近した今月第1週の土日は、人影もまばらで、不気味に静まり返った。

 当初、台風は上海を中心とする浙江デルタ地域に上陸するとみられていた。地元の新聞各紙は1面で注意喚起。支局のあるビルでは、すべての窓が施錠されているか、各部屋を警備員が巡回した。

 携帯電話には、市当局から「外出を控えて」「戸をしっかり閉めて」「電線の切断に注意! 見つけても絶対に触れないで!」などと、矢継ぎ早に指示が入った。

 一方、台風の進路図を見ると、かなり東の海上を北上する見通し。多少の風は吹いたが、台風慣れしている日本人にとって、外出を控えるほどのレベルではなかった。「これくらいなら」と食事に出掛けると、なじみの店は「台風のため休業」。中国語の家庭教師も「危ないからきょうは休みにします。外出しないほうがいいです」。多くの市民が自主避難もした。

 大きな被害もなく、日常を取り戻した週明け、知人の中国人は「慣れてないから、大げさなくらい備えた方がいい」と話した。日本で台風の接近時、たびたび「増水した川を見に行って流された」などとニュースで聞くのを思い出し、油断を自戒した。(今村太郎)

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