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モスクワ 横断幕広告に横やり

2011年09月12日

 1年ぶりのモスクワ。国際空港から都心にある支局まで、車で約1時間。名物の渋滞に引っ掛かった時、目に入ったのは、道の上の方に張られた横断幕広告だった。

 「ダーチャ(別荘)販売 電話499-○×」「新車10%引き」…。広告は長さ15メートル、幅1メートル。特殊な機械で印刷した紙を布に貼り付け、道の両脇に立った鉄柱から延びるワイヤで両端を引っ張る仕組み。車の通行量が多い6~10車線ぐらいの広い通りのそこここに目立つ。モスクワ市当局によると、市内の2118カ所にあるのだそうだ。

 ところが8月初め、市当局が「9月9日までに横断幕広告を撤去せよ」と通達を出した。「欧州の先進国で横断幕広告が出ている街はない」(報道官)というのが理由。おれたちはいつまでも新興国じゃないぞとでも言いたいのだろう。

 10日間の広告料が1カ所で10万ルーブル(約30万円)ほど。年20億ルーブルを稼ぐ広告会社の社長さんは「日本製印刷機を買ったばかり。そんな急に言われても」と、ウオツカじゃなく、流行のイタリアワインを飲みながら頭を抱えた。市は9000万ルーブル(約2億7000万円)を補償するというが、とても元が取れない。

 当局が強権的で強引なのは、この国の常。赴任当初から、何かと「らしさ」を感じさせられる。 (原誠司)

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