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北京 ちぐはぐな中国噴出

2011年09月18日

 この夏、北京は雨が多い。特に夕方から夜にかけて時々、猛烈な雷雨になる。気象局のデータでは6月1日~8月15日の2カ月半は、3日に1日の割合で雨。降水量は450ミリに達し、ここ10年平均の2倍近かった。

 やはり激しい雷雨だったある晩。帰宅しようにもタクシーはつかまらず、近くの地下鉄駅まで傘を差して歩いたが、ズボンも靴もずぶぬれ。自宅の最寄り駅に着いても雨が収まる気配はなく、意を決して歩き始めた。

 コンクリートとアスファルトで固められた街を雨水が濁流のように流れる。幹線道路から脇道に入ると冠水して池のようだ。膝元まで水につかりながら家にたどり着いた時は、ぬれねずみだった。

 一夜明けるとあちこちで道路が陥没。ビルの地下に水が流れ込み、多くの家屋が浸水した。急速な発展を遂げた大都市は、大雨のたびに水浸しになる。北京市水務局によると、最大の原因は排水設備の老朽化。新しい建物や道路が猛烈な勢いで造られるので、古い排水管の交換が追いつかないのだという。

 プライド高き北京っ子たちは「建築は21世紀、排水は20世紀」と自嘲する。400年ほど前の明代の排水管もまだ残っているというから驚く。ちぐはぐさは今の中国を端的に表しているといえなくもない。 (渡部圭)

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