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ニューヨーク 自由選択味わいたい

2011年10月04日

 ホットドッグ、パンケーキ、マカロニ-。ニューヨークで2歳の息子が通う現地の保育園の給食メニューだ。

 日本のように献立表がないため、家での料理とかぶらないようにと、毎日迎えに行く夫が聞いてくる。

 「今日はパスタよ。たくさん食べましたよ」

 自ら腕をふるう園長先生がいつも得意げに教えてくれるそうだが、たいてい炭水化物たっぷりの一品メニューばかり。

 「デザートに新鮮な果物を必ず出してるのよ」というが、野菜や肉、魚がバランスよく入っていた日本の給食とはまったく違う。

 米国ではどこのレストランにもたいがい子ども向けメニューが別にある。丁寧なところではカロリーまでついているが、栄養的なバランスでみると頭をひねるものが多い。チキンナゲットとポテトフライ、ハンバーガーなど、どれも油だらけ。

 それもそのはず、米国で大きな社会問題となっているのが子どもの肥満だ。国民全体では約3人に1人が肥満だというくらいだから、根は深い。

 大手ファストフードチェーンが、次々と子ども向けの健康メニューを打ち出しているが、根本的な解決には程遠い。

 バランスの良い食事をとることの重要性を、大人がもっと勉強した方がいいのでは。(長田弘己)