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ロンドン 盗難防止のカギは…

2011年10月30日

 「自転車を盗まれるのと壊れるのでは、どちらがいい?」と聞かれれば、もちろん多くの人がまだ壊れる方がましと答えるだろう。その前に「『壊れる』ではなく『壊される』の間違いでは」と問い返す人もいるかもしれないが、これはまさしく前者の話だ。

 ロンドンのあるグラウンドで、子供たちがサッカーや駆けっこを楽しめるよう一般に無料開放する日があった。ところが何かの手違いで門が開かず、1.8メートルほどの塀を乗り越えて中に入らなければならなくなった。

 すると、中学生ぐらいの年齢だろうか。次々と乗ってきた自転車を協力しては持ち上げ、グラウンド側に落としている。もちろん、クッションがあるわけではない。何ともいえない音が響く。帰りも同じように、今度はアスファルトの上に落下させた。

 衝撃でハンドルがずれたり、フレームが傷だらけになったり。それでいいのかと聞くと「盗まれないためさ。問題ないよ」と涼しい顔。車輪をきしませながら、あたりを走り回っている。

 「そこまでするなら、なぜ、鍵をつけないのか」。そう尋ねると、「グッドクエスチョン。そう言われればそうだ」との答え。盗難防止に気を付けているのか、いないのか、本当のところはよく分からなかった。(有賀信彦)

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