2011年11月02日
初めて訪れる国では、伝統料理を食べるのが楽しみの1つだ。ポーランドは「スープの国」。まずは発酵したライ麦汁を使った「ジュレック」に挑戦した。白濁したスープは、独特の酸味がクセになりそう。具材は白ソーセージとゆで卵だったが、何を入れるかは好み次第らしく、ポーランドの「みそ汁」といった感じだった。
次はどんな伝統料理にめぐりあえるかと期待を抱きつつ、店名に国名が入ったレストランに行った。ところが、妙に無国籍風にアレンジされていてがっかり。ただ、料理とは別に、ちょっとしたドキドキ感は味わえた。
店の前に眼光鋭いスーツの男が数人、中には迷彩服の人もいる。離れた場所からは警察車両が見張っていた。「こんな警護が付くのは、大統領か首相ぐらいですよ」と現地の通訳。カーテンで仕切られた個室の前にもSPとおぼしき人たちが待機していた。食事が終わるころ、パチパチと花火がついたバースデーケーキがワゴンで個室の中に運ばれていった。
結局、なぞのVIPは最後まで姿を見せずじまい。翌日、そのレストランの前を歩いていて、大統領官邸が目と鼻の先にあることが分かった。調べてみると大統領は6月生まれ。ひょっとしたらファーストレディーの誕生日だったのかもしれない。(近藤晶)