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釜山 ネット大国 混線模様

2011年11月09日

 週末にソウルと南東部の釜山をつなぐ鉄道、京釜線の列車で座席を確保するのは至難の業だ。出張した釜山からソウルに戻る韓国版の新幹線、韓国高速鉄道(KTX)を予約しようとしたのは金曜日の午後3時ごろだった。ところが最終列車まですべて満席。特急列車セマウル号、急行列車ムグンファ号も夜遅くまで座席がなかった。

 釜山駅に来ているというのに、いまさら飛行機に切り替え、およそ1時間はかかる郊外の金海空港まで移動するのも面倒だ。駅構内の乗車券発売用の端末機をあらためて操作したところ、午後3時半発のKTXがたまたま、約130キロ北にある東大邱までの座席が空いていた。「とにかくソウルに近づくことが肝心だ」と同列車に飛び乗った。

 45分後に到着した東大邱駅構内の電光掲示板を見ると、ソウル行きKTXの座席が意外に空席。ところが端末機で予約しようとすると、いくら試しても「入力オーバー」の表示。キャンセルが発生すると、スマートフォンなどから予約申し込みが一瞬にして殺到しているのだ。

 ようやく確保した列車は2時間半後の急行列車。ソウルに着いたのは午後11時近くだった。乗車券の激しい争奪戦を通じ、インターネット大国・韓国を痛感した旅だった。(城内康伸)