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カイロ 禁断のブログの衝撃

2011年12月12日

 「ショックです」。支局の男性助手が難しい顔で部屋に入ってきた。カイロの女性ブロガー(20)が「表現の自由」を主張、ブログに自分のヌード写真を掲載したのだという。

 イスラム教徒が大半の同国で女性は肌の露出を避け、ミニスカートはほとんど見掛けないし、髪を覆うスカーフをかぶる人は多い。雑誌などで氾濫する日本とは違い、裸の写真などもってのほかだ。

 社会に与えた衝撃は大きく、ブログは毎日数十万件のアクセスが殺到し、新聞やテレビのトークショーでも取り上げられ騒動は拡大。ネットでは「あなたはジャンヌ・ダルクだ」「(保守的な)社会を目覚めさせるには電気ショックが必要」などといった称賛も。

 だが、大半は厳しい意見だ。「あなたの両親はどこにいるのか」と詰問調の書き込みも。女性団体などから「自由の意味をはき違えている」との告発が司法当局に相次いだ。

 11月末の人民議会選では、イスラム勢力が躍進し、社会の宗教色が一段と強まるかもしれないとの観測が、女性ブロガーを大胆な行動へと走らせた可能性はある。ただ、「自由」への警戒感もまた、広がってしまったかのようにも見える。

 20歳の決断は、社会のとてつもない圧力の中で、やや痛々しく映る。本人に取材を申し込んだが、返事はまだない。(今村実)

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