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ロサンゼルス 情報公開も後手踏む

2012年03月27日

 全米の原発関係者の取材を継続しているが、昨年の福島第1原発事故に絡んで、数々の驚くべき事実が明らかになってきた。

 まず、3月11日の東日本大震災で発生した巨大津波で、炉心溶融が起きたこと。米側は、約3日後には無人機などを使った各種インテリジェンス情報収集により炉心溶融の事実をつかんでいたと報じられている。

 そもそも、水素爆発が発生したことで、炉心溶融に近いことが起こり得るとの予測が米国の専門家の間では有力だったそうだ。そのころ、日本では原子力安全・保安院が記者会見で炉心溶融の「可能性」を論じたのだが、その人物は、翌日の会見からは姿を見せなくなった。

 その他、同原発で使っている原子炉「マーク1(ローマ数字の1)」の設計上の問題点、万一の場合に、電源喪失を防ぐ予備電源設置の必要性も1980年代に、米側から日本に伝えられていたとされている。

 こうして、大事故を誘発したプロセスが、必ずしも「想定外」だったとはいえない事実が、次々に明らかになっている。

 米国では、79年のスリーマイル島原発事故以降、情報公開に努めている。日本は世界でも有数の地震国。情報公開に関して米国との違いを知れば知るほど、日本での原発利用の難しさを痛感させられる。 (野口修司)

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